シドニーの交通事情② Opal Cardについて
どうも!オーストラリアにワーホリ中のくろやんです!
シドニーの交通事情その2ではシドニーで使われる交通系ICカードのOpal Cardについて紹介します。
日本にも交通系ICカードは広く流通していますが、ここシドニーでは日本以上にこの交通系ICカードを持っておくべきです。なぜなら、このカードを持つことによって得られる利点と無い事に対する不便さが大きいからです。
Opal Cardとは
Opal Card概要
Opal Cardとはシドニー広域で利用できる交通系ICカードです。
日本のSuicaやPASMOなどと同様、カードにお金をチャージして利用します。
乗る時と降りるときにタッチするわけですが、これをTap-ON、Tap-OFFと言います。
乗る時が「Tap-ON」、降りるときが「Tap-OFF」です。ちなみにチャージのことを「Top Up」と言います。
Opal Cardの種類
Opal Cardには4つの種類があり、それぞれカードの色が違います。
基本は黒のAdult用のOpal Card。16歳以上が使用可能。
観光、仕事、語学学校に通う学生などはこのカード。料金も通常料金です。
緑のChild/Youth用のOpal Cardは4歳~15歳の子供とニューサウスウェールズ州(NSW州)・オーストラリア首都特別地域(ACT)に通う高校生が対象。料金が半額になります。高校生であれば16歳以上でも資格があります。
黄色のSenior/Pensioner用のカードはシニア・年金受給者と難民申請者用のカード。ゴールドカードとも言われています。運賃が子供同様半額になる他、1日あたりや週あたりの上限額が子供用よりさらに優遇されます。
白のConcession用のカードは対象の大学・求職者・実習生・訓練生用のカード。
運賃は半額になりますが、証明書が必要です。残念ながら大学への留学生はこの対象にならないようです。
つまり、基本的には黒の大人用、緑の子供用しか使うことは無いってことです。
他は気にしなくていいです。ちなみに3歳以下は無料です。
Opal Cardの入手方法
Opal Cardの入手方法はいくつかあります。空港や売店で入手する方法、オンライン購入、電話購入がありますが、ほとんどが空港や売店で入手することになります。
空港に関しては、空港内にあるエアポートリンク(普通の鉄道路線です)に販売所があります。基本的にそこで買うのが一番便利でしょう。
また、街中の売店でも購入可能です。市内至る所にあるセブンイレブンや大手スーパーのWoolworthなどで購入可能です。
無料で発行ができます。日本のように500円のデポジットがかかりません。
ちなみに空港での購入の場合、最初に最低でも35ドルのチャージが必要になります。
Opal Card利用範囲
Opal Cardの利用範囲はシドニー広域及び周辺の都市で利用可能です。かなり範囲が広いです。
具体的には
・シドニー市域の鉄道およびシドニー広域の鉄道網(ブルーマウンテン・ニューキャッスル・イラワラ地区・ハンター地区などの郊外路線含む)
・シドニー、ニューカッスル、ブルーマウンテン、セントラルコースト、イラワラ地区、ハンター地区のバス
・シドニーフェリー、ニューカッスルのStocktonフェリー
・シドニーメトロ(Chatswood~Tallawong間)
シドニー市内は全ての公共交通機関。その周辺の観光地であるブルーマウンテン、ニューキャッスル、ウーロンゴン、ハンターバレーへアクセス出来る鉄道網と域内の交通機関がOpal Cardの利用範囲です。
同時にこれから紹介する割引制度もこの利用範囲内で適用されます。
Opal Cardのお得な割引制度
さて、本題はこちらです。
このOpal Cardを持つことによって、公共交通機関をお得に乗ることが出来ます。いくつもの制度があるのでまずまとめます。
①シングルチケットの2割引き
②運賃支払い上限が決まっている
③1週間に8回利用すると、9回目以降は運賃が半額
④オフピーク時は運賃が30%オフ
⑤60分以内の乗り換えによる割引その1(同じ交通機関なら合計距離での運賃計算)
⑥60分以内の乗り換えによる割引その2(異なる交通機関の場合は2ドル割引)
こんなにもあるんですね!日本ではICカードによる利点はせいぜい1円~9円ほど切符運賃より安いって事くらいじゃないでしょうかね。順番に詳しく説明していきます。
①シングルチケット運賃の2割引
これはOpal Cardを持つことによる利点というよりは、シングルチケットで購入するデメリットという方が良いですね。
シングルチケットの運賃は鉄道の場合、初乗りでも4.5ドル(約340円)もかかるので高いです。対してOpal Cardならピーク時運賃で3.61ドル(約270円)オフピーク時で2.52ドル(約190円)です。
ちなみに、シングルチケットを購入できる券売機は大きな駅でも1台か2台。しかもチャージ機と兼ねているので見つけられない上にかなり購入に時間がかかります。
また、バスはOpal Onlyが多く、Opal Cardを持っていないとバスに乗れないなんてこともあります。
極端な言い方かも知れませんが、Opal Card無い奴は乗るなと言わんばかりの感じです。
ある意味時代に合った合理的な考え方で、日本でもICカード利用率をあげようとしているので、そのようにしていけばいいと思うんですけどね。(日本は色々とクレームが入るのでなかなかすぐにはそういう動きにならないよなあ)
②運賃支払い上限が決まっている
これはありがたい事です。
観光するため何回も交通機関を利用する場合、運賃がかさんでいきますが、1日または1週間にかかる運賃に上限があるため安心して何度も利用する事ができます。
日本のようにわざわざ一日乗車券を購入しなくても自動的に上限に達したらそれ以降はかからなくなるというシステム。良いですね!
ちなみにその上限は1日あたり16.10ドル(約1200円)、1週間あたり50ドル(約3750円)です。
ちなみに、この支払い上限、日曜日は何と2.8ドルになります!
つまり、日曜日はどれだけ電車・バス・ライトレール・フェリーを使おうとも2.8ドル以上かからないわけです!くっっそお得です。
この適用範囲は先ほど解説したOpal Card利用範囲と同じです。
つまり、日曜日はブルーマウンテン・ニューキャッスル・ハンターバレーなどの遠方に行くのに最高の日なのです。ちなみにだからと言ってそんなに混んでいるわけでもないってのがまた良いです。
ただし、鉄道に関しては日曜は頻繁にメンテナンスが入り運行中止している区間があったりするので、注意が必要です。公式ホームページやアプリでそれらの情報は確認できます。
③1週間に8回利用すると、9回目以降は運賃が半額
これも画期的です。
月曜日から起算で、8回利用(片道で1回、乗り換え割引適用時はまとめて1回)することで9回目以降は運賃が半額になります。
つまり、普通に仕事や学校で月~木の往復をすると、金曜・土曜・日曜の運賃は半額になります。かつては無料になったらしいですが、さすがにそれではやりたい放題だったみたいですね笑
ちなみに月曜から起算なので日曜日にそのカウントはリセットされますので注意してください。
④オフピーク時は運賃が30%オフ
前回少し述べましたが、鉄道に限り、ピーク時とオフピーク時で運賃が異なり、オフピーク時は運賃が30%オフになります。
正直30%はかなりデカいです。
日本の東京エリアでも朝夕のラッシュに対応するため「時差Biz」やら「早朝特急の導入・増発」「ポイント還元」など様々な施策を施していますが、時間帯別の二重運賃の設定でもっと効果的にラッシュの問題を解決できるんじゃないでしょうか。
まあ、日本に関しては様々な鉄道会社が入り乱れていて調整は難しいでしょうけどね。
話はずれますが、京急が導入した朝ラッシュ帯各駅停車に乗ってポイント貯めよう的な施策はなかなか良いと思いましたよ。
⑤⑥60分以内の乗り換えによる割引
60分以内の乗り換えによる割引。
東京のメトロと都営の乗り換え割引とシステムは同じですが、お得感が全然違います。
まず同一交通機関内での乗り換えを60分以内にする場合、トータルの合計距離で運賃計算がされます。
詳しく説明すると、A駅からB駅で一旦降り、60分以内にB駅からC駅に向かうといった場合。通常ならAB間の距離運賃とBC間の距離運賃がかかりますが、これがまとめてAC間の距離運賃で計算されるという事です。
例えば鉄道でオフピーク時にAB間の距離が13キロ、BC間の距離が6キロとしましょう。B駅はA駅とC駅の中間にあるとします。A駅からB駅に向かいB駅で用事を済ませ、60分以内にB駅からC駅に行きます。
通常ならAB間の13キロ分の運賃(3.13ドル)とBC間の6キロ分の運賃(2.52ドル)の計5.65ドルがかかります。しかし、60分以内に乗り換えをすれば、乗り換え割引でトータルの実乗車距離AC間の19キロで運賃が計算されることになり、かかる運賃は3.13ドルだけで済むということです。
ちょっとした用事でもお得に交通機関を利用できます。
また、異なる交通機関を60分以内に乗り換えた場合、2ドルの割り戻しがあります。
先ほどの例でAB間13キロが鉄道、BC間6キロがバスという場合、通常鉄道の3.13ドルとバスの3.73ドルで6.86ドルかかる所を、Bで60分以内に乗り換えられればバスの運賃計算の際、2ドルが割引され1.73ドルしかかからなくなり、結果的にトータル4.86ドルになるという事です。
鉄道空白帯をバスが埋めていると前回の記事で書きましたが、この乗り換え割引により安価に利用することが出来るんですね!
ただし、乗り換え割引が適応された場合、乗った回数のカウントはまとめて1回になります。9回目以降半額になる回数割引をカウントする際は注意してください。
Opal Card注意点
使い方次第でとてもお得に交通機関を利用することが出来るOpal Cardですが、いくつか注意点があります。それらについて解説していきます。
①払い戻しが面倒
Opal Cardの払い戻しにはオーストラリアの銀行口座が必要で、手続きも面倒で時間がかかります。
短期旅行で口座を作ることは無いと思います。デポジットがかかっているわけじゃないので、出来る限りの残高を残さないように調整しながら使用するようにしましょう。
最後に空港に行く際に利用する場合、追加料金に注意する必要があります。
②空港へのアクセスは高額な追加料金
シティと空港間は鉄道(エアポートリンク)が非常に便利なのですが、空港駅の乗降に限り、通常の運賃とは別に16ドル(約1200円)もの追加料金がかかります。これは先ほど説明したお得な割引制度の対象外です。
この空港アクセス特別料金16ドルは一日の運賃上限16.10ドルに関係なく、乗るたびにかかるということです。行きと帰りの2回分で32.20ドル(約2400円)
乗れば分かりますが、空港からシティまではかなり距離が近いです。羽田から都心の距離よりも近いと思います。
観光客からいいようにお金を取っている感じですね。日本も京急や京成が追加料金を取ってますが額はシドニーの方が大きいです。
ちなみに、この追加料金をかけずに空港に行く方法、つまり鉄道とバスを併用して行く方法はあります。それに関してはまた後日紹介します。(追加料金がかかるのは鉄道だけ)
③Opal Cardのチャージ額で買い物は出来ない
日本だと当たり前ですが、コンビニとかの買い物で交通系ICカードを使うことは出来ません。あくまで交通費の支払いオンリーです。
日本でよくICカード決済をしている人だと間違えてしまいそうですね。
まとめ
いかがでしょうか。
日本は交通インフラはとても発達していますが、運賃割引制度などのシステムに関してはオーストラリアの方が進んでいると思います。
また、ICカードの普及率も日本より高く、とても効率が良いと思います。
これらに関してほとんどの公共交通機関が州の所有であることが、運賃を決めるにしてもシステムを変更するにしてもスムーズに出来る要因なのかもしれません。
実際にこれらの運賃の変更は結構頻繁に行われる感じがあります。
そして、Opal Cardを所有することによって得られるお得感がとても大きいことがわかるかと思います。短期旅行でも鉄道やバスやフェリーなどには乗る機会があると思うので、是非購入しておくべきです。
次回以降はシドニーの交通関係で重要だと個人的に感じた事を紹介できればと思います。